三役とは
GQP省令における「三役」とは、品質管理および品質保証体制の中核を担う三つの主要な役職を指します。それぞれの役割と責務は以下の通りです:
1. 総括製造販売責任者: General Marketing Authorization Holder (Responsible Person)
- 役割:
- 製造販売業者における品質管理および安全管理の全体を統括する最高責任者。
- 医薬品や医薬部外品などの品質と安全性を最終的に保証します。
- 主な責務:
- 品質保証および安全管理に関する指示の発出。
- 品質不良や回収の際の意思決定。
- 製造販売承認事項を遵守していることの確認。
2. 品質保証責任者(QA: Quality Assurance)
- 役割:
- 製品の品質管理業務における実務を指揮し、日々の運用を管理。
- 製品が定められた品質基準を満たしているかを保証します。
- 主な責務:
- 品質管理システムの運用および維持。
- 市場出荷判定の基準に従い、製品の出荷可否を判断。
- 品質標準書や手順書の作成および更新。
3. 安全管理責任者 (Safety Management Officer)
- 役割:
- 製品の安全性情報を収集・評価し、必要な対応を行う責任者。
- 特に医薬品や医療製品の市販後における安全確保に注力します。
- 主な責務:
- 副作用や健康被害に関する情報の収集と評価。
- 必要に応じて行政機関への報告。
- 使用者や医療機関への情報提供。
これらの役職は、それぞれが明確に定義された責任を持ち、相互に連携しながら医薬品や製品の品質保証と安全確保を担います。GQP省令では、この三役の組織体制が品質管理システムの基盤として重要視されています。
製販がGQP省令に従った最低限必要な運用文書
GQP省令に即して製造販売業者(製販)が適切な品質管理体制を運用するためには、以下の文書が最低限必要です。これらの文書は、GQP省令で求められる各項目に対応し、品質管理業務の実施と記録を確実にするために重要です。
1. 品質標準書(Quality Standard Document)
- 目的: 製品ごとの品質基準や試験方法、承認事項を記載。
- 記載内容:
- 製品の承認事項(製品の一般名、成分・分量、効能効果など)。
- 試験方法と基準。
- 製造工程に関する取り決め。
- 市場出荷判定基準。
2. 品質管理手順書(Quality Management Procedures)
- 目的: 各業務の実施手順を文書化。
- 記載内容:
- 市場出荷管理手順書:
- 出荷判定の基準と手順。
- 出荷記録の管理方法。
- 品質不良処理手順書:
- 品質不良の報告、調査、是正措置(CAPA)までのプロセス。
- 製品回収手順書:
- 回収の判断基準、実施手順、記録管理方法。
- 市場出荷管理手順書:
3. 製造業者および試験機関との取決め文書
- 目的: 製造委託や試験委託の管理を適切に行うための取り決め。
- 記載内容:
- 委託先との責任分担。
- 製造および試験データの提供方法。
- GMPやGLPの遵守に関する取り決め。
4. 教育訓練記録
- 目的: 品質管理業務に従事する職員が適切な知識とスキルを持つことを保証。
- 記載内容:
- 実施した教育訓練の内容。
- 参加者名と実施日。
- 理解度や評価結果。
5. 自己点検記録
- 目的: 定期的な自己点検を実施し、品質管理の適切性を確認。
- 記載内容:
- 点検項目と実施日時。
- 点検で見つかった不備や改善事項。
- 是正措置(CAPA)の実施状況。
6. 変更管理記録(Change Control Document)
- 目的: 製品やプロセスの変更が品質に与える影響を管理。
- 記載内容:
- 変更内容の詳細。
- 変更の理由とリスク評価。
- 実施後の確認結果。
7. 文書および記録の管理規程
- 目的: 品質管理に関する文書および記録を適切に保管・管理。
- 記載内容:
- 文書や記録の作成、改訂、廃棄の基準。
- 保管期間と保管方法。
これらの文書は、GQP省令に基づく運用を実現し、製販業者が市場に安全で有効な製品を提供するために必要不可欠です。また、文書の整備だけでなく、これらを活用した実効的な管理体制の運用も重要です。
GQP省令の条文の解説
委託先との品質取り決め書(quality agreement)など契約書には,取決めの背景や根拠法など記載する必要があり,どの法律のどの条項であるかを記載するには,以下のレジメが役に立つ.例えば,製造業者との取決めについては,GQ背省令(7条)であることが分かる.
・医薬品、医薬部外品、化粧品及び再生医療等製品の品質管理の基準に関する省令(◆平成16年09月22日厚生労働省令第136号)
第1章 総則(第1条〜第2条)
【第1条】目的
本省令の目的は、製造販売業者が製品の製造販売後も品質を保証するために、製造所等に対して適切な品質管理を実施させる体制を整備することである。
【第2条】定義
本省令における主要用語を定義する条文であり、以下の例が含まれる。
- 品質管理業務:市場出荷の管理、品質情報の収集・評価、製品回収等
- 市場への出荷:国内または輸出用としてロット単位で出荷される製品の移動
- 製造業者/外国製造業者:薬機法第13条の3の規定に基づき製造の実施を行う者
- 再生医療等製品:ヒト細胞・組織等を用いた製品(特定細胞加工物等)
- ロット/製造番号:製品の同一性を示す単位で、製造条件が同一の一群の製品
