[Bio-Edu] mRNAワクチンの剤形 – LNP; Lipid Nano Particle – [2021/12/05]

MRNA

LNPの組成

次に紹介する参考文献では、以下の原材料でLNPを作っています。

  • 1,2-distearoyl-sn-glycero-3-phosphorylcholine (DSPC)
  • cholesterol
  • ionizable cationic lipid (6Z,9Z,28Z,31Z)-heptatriaconta-6,9,28,31-tetraen-19-yl4-(dimethylamino) butanoate (DLin-MC3-DMA)
  • (R)-2,3-bis(octadecyloxy)propyl-1-(methoxy polyethylene glycol 2000) carbamate (PEG-DMG)
  • (R)-2,3-bis(stearyloxy)propyl-1-(methoxy poly(ethylene glycol)2000 carbamate (PEG-DSG) 

siRNAに関する参考文献中で紹介されている文献のレビュー1), 2)では、以下の記載がある。

LNPは一般に直径が約50 nmで、コレステロール(cholesterol)、リン脂質(phospholipids)、ポリエチレングリコール結合脂質 (polyethylene glycol-conjugated lipids)、およびイオン化可能(ionizable)なカチオン性脂質(cationic lipids)で構成されています。

  • cholesterol (コレステロール)
  • phospholipids (ホスフォリピッド)
  • polyethylene glycol (ポリエチレングリコール) – lipids
  • ionizable cationic (“イオンになりやすい正荷電体”)lipids

以下の参考文献中の文献レビューでは、LNPの見かけのpKaが約6.4のイオン化可能(ionizable)なアミノ脂質(amino lipids)は、キーコンポーネントであり以下を可能にする、とある。

  • 低pH(≤4)でのLNP生成中の効率的なsiRNAカプセル化
  • 生理的 (physiological)なpHで循環するLNPの中性表面電荷を確保し、
  • ターゲットの細胞内在化後のエンドソーム脱出を促進する

Modular lipid nanoparticle platform technology for siRNA and lipophilic prodrug delivery, 2020, bioRxiv

https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2020.01.16.907394v1.full
  1. Rational design of cationic lipids for siRNA delivery. Nat Biotechnol 28, 172–176 (2010).
  2. Maximizing the potency of siRNA lipid nanoparticles for hepatic gene silencing in vivo. Angew Chem Int Ed Engl 51, 8529–8533 (2012).

LNPを作る装置

LNPは、以前はリポソームと呼ばれていたもので、脂質二重膜などの構造になっており、目的物を閉じ込めるための器です。

昔は、エバポレータという減圧乾固する装置で、少量調製していましたが、現在では、Precision NanoSystems Incが連続的にNano Perticleにする装置を開発しているようです。スケーラビリティーもあり、臨床試験にも使用可能で、原理的には、コマーシャル製造でも適用可能です。

Precision NanoSystems Incの技術

図1.)ナノ粒子を製造するためのマイクロ流体混合技術:溶解した脂質を含む有機溶媒と核酸を含む水溶液
NanoAssemblrカートリッジの2つの注入口チャネルに注入されます。 層流の下では、2つの溶液はすぐには混合されません。
しかし、チャネルに組み込まれた微視的な機能により、2つの流体が混ざり合います。
分子が拡散によって互いに相互作用する、制御された再現可能な方法で。 1ミリ秒以内に2つの流体が完全に混合され、核酸がロードされたナノ粒子の均一な自己組織化をトリガーする溶媒極性の変化を引き起こします。

編集履歴

2020/05/10 S2IND
2020/05/27 追記(Precision Nanoparticle Systems紹介)
2021/07/08,追記(文言整備)
2021/12/05,追記(遺伝子治療薬について解説しmRNA/pDNAを用いたワクチンはそれでは無いことを解説)