はじめに 神経成長因子 (nerve growth factor ; NGF)を抗体で抑制することで変形性膝関節症の疼痛治療薬として開発が進められてきたリジェネロン社 (Regeneron)のファシヌマブ (fasinumab)が中止された.2016年当初,Regeneron社は,Teva社と共同開発を開始した.日本での開発にはMTPCが加わっていた(2017/8/17). NGF製品の終焉 2020/8/18, Regeneronはfasinumabの第三相試験 (安全性,有効性)のデータを取得しているが,今後,fasinumabによる積極的な治療について独立モニタリング委員会からの勧告に従い中止すると発表した.また,長期安全性試験を継続し2021年に報告するとしていた. 関節の状態が悪化する副作用が観られNSAIDsとの比較で有意な鎮痛効果はなかったとされた.競合する・・・
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