はじめに 遺伝子治療用に使用されるウイルスベクターには、AAVの他にLentivirus, Retrovirusがありますが、これらは、物理的な強度がAAVと比較して低いため精製での扱いに注意が必要です。例えば、Lentivirusは粒子サイズも大きく物理的な強度が高くありません。具体的には、pH6~8、<500mM NaCl, 低温(+4℃)で精製環境を整える必要があります。 その点、AAVは、粒子サイズが低く、様々な条件でレジスタンスです。 AAV AAVは一本鎖DNAのアデノウイルス科に属するウイルスで、アデノウイルスが存在する時だけ、増殖が可能である。 AAV遺伝子はITR(inverted terminal repeat)と呼ばれる両末端にヘアピンのT型の配列があり、AAV自身の増殖と宿主細胞の染色体DNAへの組込み時に機能する。 ITRで挟ま・・・
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