AAVの感染とは AAVのウイルス粒子表面を覆っているカプシドタンパク質の構造の違いで血清型が定義されています.このカプシドタンパク質が,細胞表面の受容体に親和性が高い場合に感染対象となり感染が容易になります.AAV1(血清型1)は,筋肉や肝臓に高い感染効率を示し,AAV5は中枢神経系や網膜などに高い感染性を示します. また,アデノウイルス,レトロウイルスよりも抗原性が低いため近年,AAVを用いた遺伝子治療薬の開発が多く進められています.更に,AAVは,血清型によっては,免疫反応,中和抗体の産生を更に低減できることから,AAVを用いて遺伝子の運び屋(ベクター)として期待が高まっています.遺伝子治療に用いられる場合,製薬メイカーは,更に改良を加えて,治療効果の向上,副作用の低減化を独自の技術で図っています. 一般的にウイルスの副作の1つとしてウイルス遺伝子が細胞のゲノムにイン・・・
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