はじめに バイオ医薬など高分子を取り扱う場合,排除体積効果について知っておかなければならない.排除体積効果は,タンパク質の塩析の原理に関わる.また,高濃度のバイオ医薬品の処方組成(バッファ組成)をUF/DF(限外ろ過膜; Ultrafiltration/透析; Diafiltration)を用いてバッファ置換や濃縮,特に高濃度のタンパク質を調製する場合は,pH shift (Donnan effect)の対策のために理解しておかなければならない必須のナレッジである. 抗体医薬では 高濃度化するためにUltrafiltration Filter (UF)を用いて濃縮・バッファ組成置換を行うが、その際、濃縮過程で「排除体積効果」により組成が変化することでpHがシフトする現象が見られる場合がある。例えば、pH5の抗体溶液を30kDaのUFで濃縮していくと、あるバッファ組成ではpHは上・・・
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